「クニミツの政」(「週刊少年マガジン」)連載終了に寄せて

ricamo2005-11-02




今日コンビニでいつもの如く「週刊少年マガジン」を
立ち読みして、びっくりしました。



クニミツの政(まつり) 」連載終わっちゃんたんだー。



クニミツの政(まつり) (1) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (2965巻))

クニミツの政(まつり) (1) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (2965巻))



まあ先週のラストで国光が秘書を首にされていたので、
それを考えれば予想しておくべきでした。
もしかしたら先週の連載で「次回、ついに最終回!」
とかどっかに出ていたのかな?
通勤の途中や昼休みにコンビニでパラパラと読むだけなので、
気づきませんでした。



それにしても、ここまで特に破綻もせず順調に
クライマックスに向けて進んでいって、
一番良い所で、将来にさらに希望をもたせるような
きれいな終わり方をして、堂々と完結した漫画が、
あった事自体が、大げさですが奇跡みたいな気がして、
私は割と本気で感動してしまいました。



この作品は、ステレオタイプなキャラクターとか悪人が多いし、
現実の社会問題に真剣に取り組んでいるかというと微妙ですが、
それはまた別の作品が出てきて、発展させていけば良いかと
私は思います。



週刊少年漫画誌でこういう
「政治家に不満があるなら、お前が立候補しろよ!」という話が
連載されていたのは、私にとってすごく不思議でした。
(主人公の国光君は、秘書でしたが)



それにしても、最後の最後で、ついに佐和ちゃんと……。
憎いぜ、国光!
というか国光が19歳だったことを改めて知って、衝撃を受けました。





衝撃を受けたといえば、同誌に好評連載中の美少女学園ファンタジー
格闘ラブコメ漫画「魔法先生ネギま! 」の今週の話の或るコマも、
私には衝撃的でした。



魔法先生ネギま!(1) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(1) (講談社コミックス)



今週の戦いの最中で、主人公が「気づいていないかもしれないけど、
みんながあなた(ネギ君)を見守っている事を忘れないで」
というようなセリフを言われて、ネギ君がハッとする、
感動的な場面があるのですが、そのときに出てくる
「みんな」というのが、10人ぐらいのコスプレをした美少女たちなんです。



それはそれで、非常にうらやましい限りではあるのですが、
なんかシリアスなシーンだけに、妙に私のツボにはまってしまって、
私は思わずプフッとコンビニで吹き出してしまいました。



そして、なんで自分がおかしくて吹き出したのかをかったかを考えて、
こう思いました。



この「ネギま!」という作品では、
「(1)偉大な父親を乗り越える」という
エディプス・コンプレックス的な軸と、
「(2)自分以外に男がいない美少女のハーレムで、
もててもてて困っちゃうのがえんえんと続く」という萌え軸の、
少年漫画での2大テーマを両立させようとしたことによる、
当然の破綻が生じているのではないか。
この2つは、テーマとして両立しないか、
或いは(1)を達成して初めて(2)に至るとか、
もしくは(1)を達成するために(2)からあえて身を引き剥がす、
という展開しかないんじゃないか……



しかし、それは私の乏しい教養による、極めて偏った見方かもしれない、
とも反省しました。



主人公が孤独な戦いの極限状態の果てに、
「自分を待ってくれてる人が居るんだ」と気づき、
救われるような場面と言うと、「機動戦士ガンダム」のファーストとか
新世紀エヴァンゲリオン」のTVシリーズなどを私は思い出します。



そのようなアニメ作品で、待ってくれている仲間と言うと、
こう、社会と言うか、仕事仲間というか、戦友というか、
老若男女が待ってくれているというイメージが固定観念として
私の視野を狭めてしまっていたようです。



しかし、「ネギま!」に出てくる女の子たちは
いわゆる“戦闘美少女”であるため(?)、
偉大な父親を乗り越えるにあたって、
共闘することが出来る存在なのだろう、と私は考え直しました。



とはいえ、自分を待ってくれている人というのが
(人じゃないのもいるが)
自分に発情しているコスプレした大量の美少女だけ、というのは、
素晴らしいことのようにも思うんですが、
なんとなく寂しいことのようにも私は感じられて、
これは作者の赤松 健先生のシュールなギャグなのかな、
とも深読みしました。



でも、私が以前読んだ「萌え萌えジャパン 2兆円市場の萌える構造」
という本でのインタビューによれば、赤松健先生は、
読者にそのような、登らせるだけ登らせておいてはしごを外すというか、
美少女インフレーションを量的緩和によってバブル化させ、その事によって
「さすがにこれはまずい、根拠無き熱狂だ」と読者に気づかせる
事をする人とは、私は思えないのです。



萌え萌えジャパン 2兆円市場の萌える構造

萌え萌えジャパン 2兆円市場の萌える構造



この本によれば、赤松先生は読者に「現実を見ろ」というような
説教をするのを自分に禁じており、
読者に対してひたすら献身的に美少女を提供する事を以って
自らの与えられた役割だと考えておられるようなんですね。



なので、やはりあのシーンは、「こんなにたくさんの美少女が
自分を見守ってくれている」と感動するべきシーンだと解釈
するべきなんだろうな、と私は考えました。




あーでも「クニミツの政」が終わってしまって、
あと私が「週刊少年マガジン」誌でかかさず立ち読みするのは
School Rumble(スクール・ランブル)」だけに
なってしまいました。



School Rumble(2) (講談社コミックス)

School Rumble(2) (講談社コミックス)



でも、今週まで続いていたツンデレ沢近お嬢のお見合い編は、
最終決戦クライマックス、キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!



と期待していたのですが、ふたを開けてみればなんか
あっさりと落ちがついて、
「はい、じゃあまた来週からはいつもの人間関係でスタート」
になってしまいそうです。
もう少し「デレ」が発動するかと私は予想していたので、
やや想定外でした。
というか今日の午後はモチベーションが上がりませんでした。



さよなら絶望先生」や「魁!!クロマティ高校」は
安定しておもしろいですが、特に今週も絶対立ち読みせねば!
というほど私ははまっていないもので……。



いやー、私もそろそろ、というかとっくに歳も歳ですので、
週刊少年マガジン」の立ち読みとも縁を切る良い機会かなあ。
寂しいことです。



というか、問題は私の歳というよりも、どっちかといえば
この歳になってなんで「週刊少年マガジン」を購入せずに
コンビニの立ち読みで済ませているのか、
という方が焦点化されるべきかもしれないと思う
今日この頃でした。