(1)ちゃんと競争するにはどこの党が良い?

ricamo2005-11-03




9月11日の衆議院選挙からもう、1ヶ月半が経ったんですね。
早いなー。



自民党にボロ負けした各野党が、選挙の総括をしたり
反省して、今後の政策を会議しているようです。



日経新聞の記事を私が拾ったかぎりだと、
10月28日の金曜の2面に、民主党社民党の記事が
小さく出ていました。



それによると、民主党は10月27日に予算調査会などを開き、
与党とは別に、独自の2006年度の予算案作りに着手し始めたとのことです。
その方向は、歳出のスリム化で浮いた財源の一部を少子化対策
社会保障分野に重点配分し、「人への投資」を売り物にするらしいです。



それから、社民党も10月27日に常任幹事会を開き、党の新たな基本文書の
原案をまとめました。
憲法を変え、日本を再び戦争のできる国へ回帰させることを否定する」
「所得格差を是正した生活最優先の社会」
「福祉と社会保障制度の充実は不可欠」であり、
社会保障費の安易な削減論には反対」という方向で、2006年2月の党大会で
正式に採択する予定との事です。



私の調べ方が足りないのかもしれませんが、
共産党とか日本新党とか、なんか日本列島には
もうちょっと他にも政党があったと思うんですが、
特に記事は私は見つけられませんでした。



で、私は上記の2つの政党の今後に向けた政策を読んで、
ちょっと強引にまとめてしまえば、
どちらも経済政策としては、所得の再分配が本質的なんだと思いました。



つまり、所得の多いホリエモンさんとかは沢山の税金を支払ってもらい、
所得の少ない人たちに配分したり、企業の育児室への補助金を出したり、
年金とか医療保険への財源に回したりすんでしょう。



たくさん税金を支払っても、ホリエモンさんだったら自腹で
家政婦さん(実際に雇ってるらしいですが)とか
怪我したときの入院代とか余裕で払えるだろうし。



もうちょっと格好いい言葉で言い換えますと、
「結果の平等」が、民主党社民党の経済政策の
本質なのかと私は思います。



まあ完全にフラットにするわけはないでしょうが、
いくらホリエモンさんが一年間で100億稼ぐ仕事術を
身に付けていたとしても、
政府が最高所得税率(37%)を徴収していくことでしょう。
(実際はもっと複雑化と思いますが)



この所得再分配によって、結果(可処分所得)では
私との差も(少しは)縮まるわけです。



たくさん稼いでいる人にとっては、
「なんで俺がせっかくこんなにがんばって稼いでんのに、
 がばっと税金で持ってかれて、
 ろくに働かないニートとかフリーターの奴らの為の
 ハローワークとかに税金が使われんだよ」
とか不満があるかと思います。



さて、そんな民主党社民党に対して、自民党
というよりは小泉内閣の政策は、
社会保障費の制度見直しや支出削減、
消費税率を今の5%から12%か15%に上げるなど、
所得再分配を少なくする方向かと思います。



まあこれもちょっと私の解釈で大げさに言えば、
世の中には高所得の方から低所得の方まで
いろいろな方がいらっしゃいますが、
その所得の「結果の差」が開いても良い、
という政策と言えるかと私は考えました。



まとめれば、「結果の平等」の方向で所得を再分配する政策は
稼いでる人には不満でも、稼ぎの少ない人には嬉しいでしょう。
所得税率37%も払うような、超高給取りなんて、
日本列島の中では少数派でしょうし。



それに対して、「結果の差」を認めて、所得の再分配
弱める政策は、市場での競争を活性化して、
日本列島の経済の生産性を高め、
実質国内総生産(実質GDP)の潜在成長率を高める気がします。
マクロ経済学でいうところの総需要・総供給分析図において、
 総供給曲線が右側ににシフトする)



まあどっちもそれぞれ一理あると私は思うんですよね。



でも、つらつらとこう書いてきて、
なんか私は物足りない気がしました。
まあここまで書いてきた時点で完全に勘違いしてたら
意味無いんですけど。




私は、所得の再分配、つまり「結果の差」もしくは「結果の平等」
のどっちを選ぶかよりも、「機会の平等」についてなんで
自民党民主党社民党も言わないのかなと思いました。



まあ言ってたらすいませんが、私が注目してるのは
2003年に構造改革の加速策の一つとして実施された、
相続税最高税率の70%から50%への引き下げのことです。



ホリエモンさんや小泉純一郎さんみたいに、
リスクを背負って努力した人が高い収入を得るのは、
まあ有りだなという気もするんですけど、
その前提として、スタート地点は
なるべく揃えた方が良いと私は思いました。



親が金持ちな人っていうのは、その親が努力した結果だから
まあ分かるんですけど、その子供が努力しなくても
たくさん資産を継承すんのは、その子供の全力発揮を
妨げる恐れがあります。



努力によって結果の差が開いても良い、という
世界設定にするんなら、合わせて機会を平等にする
というのがセットで抱き合わせしてないと、
本当に熾烈な競争を加速させることができないんじゃないか、
と私は思ったのでした。



相続税贈与税などを上げた上で競争を激化させれば、
初めて、公正な市場のメカニズムが働き、
他人を満足させる事ができた人ほど金持ちになり、
他人を満足させる能力が低い人ほど金は少なくなる、
という競争が起こります。



もちろん、基本的な人間としての生活は保障されるべきだし、
競争で負けても、ちょっと休んだらまた
いくらでも挑戦できる保障は必要ですが。



でも、いまんところ私が新聞を読んだ限りでは
どこの政党も、
「日本を活性化させるため競争原理を導入しよう、
 そして、その為には機会の平等が前提条件なので、
 2003年の相続税減税は撤廃し、
 相続税贈与税をむしろ高める法律を議決させる」
という公約とかマニフェストは出してくれてないんですよねー。



いまのところ見てない共産党はもしかしたら、
相続税増税を考えてるかもしれないけど、
市場での競争や、努力の結果による差まで
否定してしまってそうです。



まあ「機会の平等と市場競争の両立」を掲げる
経済政策の党が仮にあっても、だからといって、
それだけでその政党に投票するかといったら、
他の公約の方が重要な時も有るでしょうけど。



なかなか政党選びも難しいもんだなー、
と私は思いました。
当たり前のことか。



まあ、なんでそんな「機会の平等」のことを考えたかといいますと、
次のネット上のニュースがきっかけです。