悲願:「宗像教授 in モンゴル編」!!

12月3日(先週の土曜)の日経新聞の44面の「文化面」によると、
13世紀初頭に故・チンギス・ハンさんが創設した
モンゴル帝国の宮殿の遺跡で、
大規模な鉄器生産の痕跡が見つかったとの事です。



 ※正確には、鉄を生産する際にできる不純物
 (スラグ=鉱滓【こうさい】)が広大な範囲で出土した。



モンゴル高原には鉄鋼石の有力な産地はないので、
1210年代の初めにチンギス・ハンさんが鉄資源に恵まれた
中国東北部を支配していた「金」という国を攻略し、
継続的に鉄資源や人的資源を確保したと考えられるそうです。



鉄は矢尻(一回の戦闘で100万本もの矢が使われたらしい!!)や
刀などの武器だけでなく、釜などの日用品、車輪の部品などに
使われた、最重要アイテムだったようです。



また、こうした工業などの技術者やその家族を養うためには、
ある程度の農耕が不可欠であり、その証拠に、
鉄器の生産の遺跡からは炭化した大麦やキビも発見されています。



そんな感じで、今モンゴル帝国の研究では、鉄器の生産や農耕という、
工業&農業にスポットが当たってるようで、
「自分では生産せず略奪をする、馬に乗った遊牧民族
というモンゴル帝国のイメージも変わってきているようだと
私は思いました。



そんな中で、私にとっての最大の注目ポイントは、
日本最高の伝奇&SF漫画作家の一人、星野之宣(ほしの ゆきのぶ)
大先生が、「宗像教授」シリーズでチンギス・ハーン
テーマに取り上げてくれるのではないか、という期待です。



宗像教授異考録 第1集 (ビッグコミックススペシャル)

宗像教授異考録 第1集 (ビッグコミックススペシャル)




「宗像教授シリーズ」は、「民俗学研究の第一人者・
宗像伝奇(むなかた ただくす)教授が、
神話・伝承に隠された更なる謎を解く!」(帯文より)
という作品です。



スキンヘッドで堂々とした体格の宗像教授は、
見かけやお名前、また英国紳士風ダンディーさと
江戸っ子的人情や豪快さをあわせ持ち、
さらに時々お茶目な性格からして、実在の博物学者である
故・南方熊楠(みなかた くまぐす、1867〜1941)を
モデルにされているのでしょう。



漫画の中で、宗像教授は「ヒッタイトの古代から、
各地に鉄資源を追い、鉄器を作っていった人々の
歴史と文化をたどること(78ページ)」を
専門テーマに研究している学者という設定になっています。
ヒッタイトは紀元前14世紀ごろに、鉄器と馬・戦車によって
 の小アジアを中心とした大帝国を築いた)



私が忘れてるだけで、すでにチンギス・ハンを扱った回が
あったかもしれませんが、もしまだだったら、
ぜひ作品にしていただきたいところです。



日経紙の記事によると、「チンギス・ハンの幼名テムジンは
鉄を扱う人、工匠といった意味だとされる。」という
一文もありました。
このごろはジンギスカン料理も流行っていますし、
星野之宣大先生であれば、きっとうまく料理してくれるのでは。



そういえば、前シリーズの「宗像教授伝奇考」の最終6巻の最後では、
宗像教授は鉄の伝播を調べるために、稚内からサハリン行きの
船に乗りこみます。
そして、こんなセリフを言い残してあっさり海の向こうに
消えてしまうのです。(文庫版より、242ページ)





間宮(タタール)海峡を渡って シベリア鉄道
乗るつもりだ



まずは 白鳥信仰が 盛んだったという
バイカル湖の ブリヤート族を 訪ねてみよう



そうそう ”タタール”とは 
モンゴルを指す 言葉だが 
”たたら”の語源だと 知っとるかね? 



モンゴルでは 鍛冶(かじ)がシャーマンとなり
指導者となった 成吉思汗(チンギス・ハーン)の家系も
一説によると それだったらしい

「宗像教授 in モンゴル編」の実現の日は近い!?