女性学・男性学―ジェンダー論入門

ハチ公




女性学・男性学―ジェンダー論入門 (有斐閣アルマ)

女性学・男性学―ジェンダー論入門 (有斐閣アルマ)



【へーと思ったポイント】
 (私の理解ですので、勘違いしている可能性が多大に有りますです)




生物学的な性のあり方(セックス)は、2種類だけではない。


 まず性器については、男性器を持つ人と、女性器を持つ人と、
 それらを併せ持った両性具有者=インターセックス半陰陽者)が居る。


 次に、性染色体の面でも、男性の多くはXY染色体を持つが、
 Y染色体が通常の『男性』よりも一つ多い「XYY」の人も居る。
 また、女性の多くは「XX」を持つが、
 「XO(X染色体が通常の『女性』よりも一つ少ない)」や
 「XXX(X染色体が通常の『女性』よりも一つ多い)」を持つ人も居る。
 インターセックスの場合 他に染色体としては
 「XXY」や「XXXY」の人が居る。

 
 また、性ホルモンについても、テストステロン(男性ホルモン)と
 エストロゲン(女性ホルモン)のバランスは人様々だ。


 以上のように、生物学的な性は何種類も有る
 必ずしも2つに分けられるわけではない。(←要再検討)
 (10、11ページ)




日本の女性の労働力率はM字型曲線を描く。


 「労働力率」とは、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合。
 また、労働力人口とは、就業者と完全失業者の合計。


 日本の女性は、70%以上が一度は就職するが、
 結婚や出産で20代後半から職を離れる人が増加する。
 そして子育てが一段落した40歳前後で、再び就職する。
 ただし、年齢制限があるため、多くはパート労働で働く。


 横軸に5歳ごとの年齢層を、縦軸に労働力率をとると、
 上記の結果、20代では高く、30代でがくっと下がり、
 再び40代で高くなる、M字型の曲線となる。

 
 ちなみにドイツ、アメリカ、フランス、スウェーデンでは
 30代の低下がほとんど無い、台形のような形。
 また、20〜24歳では日本が上記の4ヶ国より高いが、
 25歳〜40代までは、上記4カ国より低い。
 特に30〜34歳では、日本が50%台なのに比べて、
 他4ヶ国は70〜80%。
 (138ページ)



現行の民法では、非嫡出子が差別されている。


 子供の出生届を出す時に、非嫡出子(ひちゃくしゅつし)、
 つまり法的な婚姻に基づかない形で出生した子供は、
 例え認知されていても、遺産相続の段階で嫡出子の半分しか
 貰えない。


 また、嫡出子は出生届の際に「続き柄欄」に「長男、長女」や
 「次女、次男」等の形で記入されるが、
 非嫡出子の場合には「女」ないし「男」と性別だけが記入される。


 数年前に住民票の記述についてのみは
 法律婚で生まれた子供(=嫡出子)と婚外子(=非嫡出子)を
 区別しない方法に、ほとんど議論も無いままに突然変わった。
 これは、日本の婚外子差別に対して、
 国際社会から批判を受けたためだった。
 (194、195ページ)



民法には男女差別が残っている


 現行の民法では、男性は離婚してもすぐに再婚できるが、
 女性は離婚後、180日間の再婚禁止期間が設けられている。
 これは子供の父親を確定させるのが目的か。


 また、結婚最低年齢は女性が16歳以上、男性が18歳以上だ。
 (ただし、いずれも20歳未満の場合は親の許可が必要) 
 これは女性は家族の全責任を持つ必要がないという判断に
 基づくと考えられる。
 (195、196ページ) 



日本の歴史上、姓がある場合、夫婦別姓の方が当たり前だった。


 例えば、北条政子(1157〜1225)は源政子ではないし、
 日野富子(1440〜1496)は足利富子ではなかった。


 っていうか明治になるまで多くのひとには姓が無かった。(←要再検討)
 明治の中期に欧米を真似して夫の姓への統一を政府が
 打ち出した時、市民の多くは「夫婦が同姓なんて変だ」と
 強く反発したという。


 ちなみにその当時には、朝鮮半島や中国では儒教に基づいて
 夫婦別姓が維持されていた。
 しかしその理由は、女性は子供を産むだけの存在であって
 「家」の正式なメンバーではないと判断されていた為だろう。
 (198ページ)




私のように余り考えもせずに生きてきた者にって、
いろいろと示唆しさに富むトピックが
有る本でした。
っていうか所々かいつまんで読んだだけだけど。


でも、上にも引用したり要約した部分が、どの資料に基づいた話なのか、
余り詳しく載ってないので、せっかく興味を持ったり
「本当かなー」と思っても、それ以上
調べられないことが多かったのが残念です。
特に法律面や歴史面では、「〜だったようだ」とか
「〜と言われる」とかの記述が多く、
「誰が言ってたんだよ!」と突っ込みたくなりました。



私としては今後、企業での女性の労働や、セクハラの解決方法とか、
専業主婦をしている人がどんな悩みが有るのか、
等について別の本で調べてみたいです。