女性学・男性学―ジェンダー論入門
- 作者: 伊藤公雄,国信潤子,樹村みのり
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2002/02
- メディア: ハードカバー
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【へーと思ったポイント】
(私の理解ですので、勘違いしている可能性が多大に有りますです)
●生物学的な性のあり方(セックス)は、2種類だけではない。
まず性器については、男性器を持つ人と、女性器を持つ人と、
それらを併せ持った両性具有者=インターセックス(半陰陽者)が居る。
次に、性染色体の面でも、男性の多くはXY染色体を持つが、
Y染色体が通常の『男性』よりも一つ多い「XYY」の人も居る。
また、女性の多くは「XX」を持つが、
「XO(X染色体が通常の『女性』よりも一つ少ない)」や
「XXX(X染色体が通常の『女性』よりも一つ多い)」を持つ人も居る。
インターセックスの場合 他に染色体としては
「XXY」や「XXXY」の人が居る。
また、性ホルモンについても、テストステロン(男性ホルモン)と
エストロゲン(女性ホルモン)のバランスは人様々だ。
以上のように、生物学的な性は何種類も有る
必ずしも2つに分けられるわけではない。(←要再検討)
(10、11ページ)
●日本の女性の労働力率はM字型曲線を描く。
「労働力率」とは、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合。
また、労働力人口とは、就業者と完全失業者の合計。
日本の女性は、70%以上が一度は就職するが、
結婚や出産で20代後半から職を離れる人が増加する。
そして子育てが一段落した40歳前後で、再び就職する。
ただし、年齢制限があるため、多くはパート労働で働く。
横軸に5歳ごとの年齢層を、縦軸に労働力率をとると、
上記の結果、20代では高く、30代でがくっと下がり、
再び40代で高くなる、M字型の曲線となる。
ちなみにドイツ、アメリカ、フランス、スウェーデンでは
30代の低下がほとんど無い、台形のような形。
また、20〜24歳では日本が上記の4ヶ国より高いが、
25歳〜40代までは、上記4カ国より低い。
特に30〜34歳では、日本が50%台なのに比べて、
他4ヶ国は70〜80%。
(138ページ)
●現行の民法では、非嫡出子が差別されている。
子供の出生届を出す時に、非嫡出子(ひちゃくしゅつし)、
つまり法的な婚姻に基づかない形で出生した子供は、
例え認知されていても、遺産相続の段階で嫡出子の半分しか
貰えない。
また、嫡出子は出生届の際に「続き柄欄」に「長男、長女」や
「次女、次男」等の形で記入されるが、
非嫡出子の場合には「女」ないし「男」と性別だけが記入される。
数年前に住民票の記述についてのみは
法律婚で生まれた子供(=嫡出子)と婚外子(=非嫡出子)を
区別しない方法に、ほとんど議論も無いままに突然変わった。
これは、日本の婚外子差別に対して、
国際社会から批判を受けたためだった。
(194、195ページ)
●民法には男女差別が残っている
現行の民法では、男性は離婚してもすぐに再婚できるが、
女性は離婚後、180日間の再婚禁止期間が設けられている。
これは子供の父親を確定させるのが目的か。
また、結婚最低年齢は女性が16歳以上、男性が18歳以上だ。
(ただし、いずれも20歳未満の場合は親の許可が必要)
これは女性は家族の全責任を持つ必要がないという判断に
基づくと考えられる。
(195、196ページ)
●日本の歴史上、姓がある場合、夫婦別姓の方が当たり前だった。
例えば、北条政子(1157〜1225)は源政子ではないし、
日野富子(1440〜1496)は足利富子ではなかった。
っていうか明治になるまで多くのひとには姓が無かった。(←要再検討)
明治の中期に欧米を真似して夫の姓への統一を政府が
打ち出した時、市民の多くは「夫婦が同姓なんて変だ」と
強く反発したという。
ちなみにその当時には、朝鮮半島や中国では儒教に基づいて
夫婦別姓が維持されていた。
しかしその理由は、女性は子供を産むだけの存在であって
「家」の正式なメンバーではないと判断されていた為だろう。
(198ページ)
私のように余り考えもせずに生きてきた者にって、
いろいろと
有る本でした。
っていうか所々かいつまんで読んだだけだけど。
でも、上にも引用したり要約した部分が、どの資料に基づいた話なのか、
余り詳しく載ってないので、せっかく興味を持ったり
「本当かなー」と思っても、それ以上
調べられないことが多かったのが残念です。
特に法律面や歴史面では、「〜だったようだ」とか
「〜と言われる」とかの記述が多く、
「誰が言ってたんだよ!」と突っ込みたくなりました。
私としては今後、企業での女性の労働や、セクハラの解決方法とか、
専業主婦をしている人がどんな悩みが有るのか、
等について別の本で調べてみたいです。