大連結決算時代@映画産業、2000
昨日、映画産業での興行収入ってなんやろ、
そしてその内どのくらいが配給会社の分け前として
取られるんだろうと私はちょっくら調べてみました。
http://d.hatena.ne.jp/ricamo/20060201#p1
で、元データとしては「社団法人日本映画製作者連盟」さんという
団体のサイトから持ってきたんですが、
そこには1955〜1999年までは興行収入と配給収入の両方が
掲載されていました。
でも、2000年以降は興行収入の数字しか発表されていません。
http://www.eiren.org/toukei/data.html
私は何で2000年以降の配給収入を公表しないのかなーと
思ってたんですが、もしかしたら、2000年3月期から
導入された、連結決算における「実質支配力基準」が
関係してるのかもしれない、と私は思いました。
同年からは詳細な連結決算の開示が求められ、
2000年3月期からは役員派遣などに支配力や影響力を加味する
「実質支配力基準」が導入されました。
また、連結決算が主で単独決算が従となるなど、
本格的な連結決算時代に入りました。
1978年3月期から連結決算制度は導入されていますが、
そのときはまだ連結の対象は出資比率が50%を超える会社だけだったり、
また特に持ち分法は義務ではなかったので採用する企業は
少なかったんです。
その後ちょとずつ基準が厳しくなって今に至ります。
↓参考
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って2002年版だけど。
東宝は配給会社としては東宝東和があり、
興行会社としてはTY系(東宝洋画系)のコマ・スタジアムなど
があります。
また、松竹は配給会社としては松竹富士が系列にあり、
また興行会社としてはSY系(松竹洋画系)の東急レクリエーション
等があります。
興行収入の中からどのくらいを配給会社に支払っているかは
こういうグループの連結決算ではあんまり意味なくなった
んじゃないだろうか。
でもこれらの大手以外にも興行会社では東京テアトルなどがあるし、
配給会社にもユニバーサル・ピクチャーズとかワーナー・ブラザーズとか
の海外メジャー系もあるし、そういうところでは
配給する際にやっぱ事前に歩合(=配給収入÷興行収入)
を決めてるんだろうしな。
↓参考
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って2005年版だけど。
ところで映画ビジネスについての本を探してたら、こんな本が。
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もくじを見たら、「第3章 どのように資金を集め、作品を売るのか」
という章があって、そんな気がしました。
2000年前後というのは映画産業にとって何かしら
転換期だったのかな。