天然ガス自動車:そんなに増えてる?

グラフ



昨日の新聞に、ちょっと如何どう解釈していのか
悩むグラフが出ていました。



の記事は9月6日付の日経新聞の28ページ目の
天然ガス自動車いての一面広告です。
経済産業省の官僚と、いすゞ自動車の副社長と、
東京ガスの副社長の3人が鼎談ていだんされています。
東京ガスの副社長は、社団法人日本ガス協会
重職も兼ねてらっしゃる様です。



鼎談の内容は、今年の2月から発効された
京都議定書の御話から始まり、天然ガス自動車
石油を燃料に使う車と比べて相対的に燃費が良く、
二酸化炭素の排出量も少ないことが紹介されています。
自分の生きている間に石油が無くなっちゃわないか
妙に不安に成っている私には、相対的に良い話でした。



ところで、話の中で東京ガスの副社長が、
天然ガス自動車の普及台数を
昨年度末の時点で24,263台であり、
本年度は30,000台まで行くだろう、
との見込みを示しておられます。
そんなすごい勢いで増えているのか!



して記事中には、1990年代は低空飛行だった
天然ガス自動車台数が、2000年代に入って
ぐわっと増えている様な棒グラフが表示されています。
数字だけで表すとこんな感じ。
(「スタンド数」とは、天然ガスステーションの事)

年度 自動車台数 スタンド数
1991 49 6
1992 123 6
1993 243 12
1994 421 24
1995 759 34
1996 1,211 47
1997 2,093 62
1998 3,640 82
1999 5,252 107
2000 7,811 138
2001 12,012 181
2002 16,561 224
2003 20,638 270
2004 24,263 288

確かにどんどん増えてますね。
初めグラフを見たとき、「おお、すっげー増えてる!」と
素直に感激した私ですが、の後良く考えたら
この表の数字って、累計るいけいの数なんだよな。
過去に売れた天然ガス自動車の数に
の年の売れた台数を加算させていけば、
そりゃ毎年増えるに決まってんじゃん。



其所そこで、じゃあの年に増えた数はいくつなのか、
増加分を表にしてみると次の様に成りました。

年度 自動車増加数 スタンド増加数
1991 - -
1992 74 0
1993 120 6
1994 178 12
1995 338 10
1996 452 13
1997 882 15
1998 1,547 20
1999 1,612 25
2000 2,559 31
2001 4,201 43
2002 4,549 43
2003 4,077 46
2004 3,625 18

あらやだ。
うしてみると、天然ガス自動車は2002年から、
スタンド数は2003年から、増えてはいるけど
既に勢いは落ち始めている……。
見込みでは今年度で30,000台という事ですが、
の為には2005年に過去最高の5,737台売らないといけません。
大丈夫なのか、天然ガス自動車



愛知万博って、環境への配慮で自ら最前線に立った
世界のトヨタ社が、天然ガス自動車にも本腰を入れてくれるかな。
なお、来年4月からは改正省エネルギー法が施行しこうされるとの事で、
乗用自動車以外にも規制が進められて行くそうです。
運輸業界にも天然ガス自動車へ乗り換えが進むけに
成るでしょう。



しかし何で私はすっかり天然ガスの信者に成ってるんだ。