10代女性は言行一致? 『結婚帝国 女の岐れ道』

禁煙継続中


昨日から上野千鶴子うえのちづこさんと信田さよ子のぶたさよこさんの対談本、
『結婚帝国 女のわかれ道』という本を往復の通勤電車の中で
読み始めました。
(っていうかそれ以外本読んでるひまなんかねぇー)



結婚帝国 女の岐れ道

結婚帝国 女の岐れ道



社会学者・女性学者である上野千鶴子さんの著書を、
4、5冊読んだ事が有るだけで、しかも理解出来てはいませんが、
私はの方のファンなんです。



書かれる文章が悲しいぐらい明晰で、かんにしてようています。
また対談本では、容赦無く相手の根拠の無さを指摘したり、
時には大阪弁(?)で漫才の様な突っ込みを披露され、
厳しくもサービス精神豊かな人柄がしのばれます。



でもまあ、主張の内容よりもの人の人格に感情移入して
えちゃうっていうのも、自主規制しないとね。



して時間が許せば、もうちょっと上野千鶴子さんの学術的な著書を
読んでみたいんですが、朝の満員電車と残業で疲れ果てている終電の中では、
中々なかなか厳しいのがサラリーマンの平日です。
土日は寝るか掃除・洗濯するか他人と過ごすかで終るしな。



まあそんな訳で、仕事から頭を切り替えるのに、
比較的に気合を入れる必要の無い対談本に、私は助けられてます。



なんですが…此方こちらの『女のわかれ道』を読み始めてぐ、第一章目で、
上野千鶴子さんの統計データの解釈に、引っかかる所が有りました。



コラムとして書き下ろしで付録されている、
「三十代は女のわかれ道?
  ――『データブック NHK日本人の性行動・性意識』を読む」
の一部です。
(私の買った本だと20〜22ページ)



資料として載ってる「図3:18歳になる前にセックスをする」の表にると、
16〜19歳の女性の回答は次の様に成っています。
ただし、調査は1999年12月頃にNHKにってされた物です)


データブック NHK日本人の性行動・性意識

データブック NHK日本人の性行動・性意識


Q:18歳になる前にセックスをする

 (16〜19歳の女の回答)

選択肢割合
してみたい20%
どちらかというとしてみたい13%
どちらかというとしたくない11%
したくない33%
実際にしたことがある20%
無記入2%



これを解釈して、上野千鶴子さんは次の様に書いてます。


(前略)10代は「してみたい」が20%で「したことがある」が20%、
いわば言行一致だが、(後略)

して、そんな10代と比べて、
30代の女性は思ってる事とっている事がずれている、
という対比に分析を展開していかれます。



此所ここで私が違うんじゃないかと思った点は、
「してみたい」と答えた女性と「したことがある」女性は、
別の人だからです。
の調査では、セックスを気持ちの上でしたいか如何どうかと、
実際にセックスをしたかという別次元の選択肢が
並列で入っちゃってるのが、抑々そもそもの問題だと思います。



試しに次の3パターンを考えてみました。



【1】
上の表の16〜19歳の女にいて、単純に、
セックスを「したことがある」の女性(20%)は
全員セックスしたかったからしたんだと仮定してみましょう。
すると、「してみたい」(けど未だしていない)女性(20%)と合わせて、
40%がセックスしたい事になります。
すると、セックスしたいんだけど、実際にしてるのは
の内の2人に1人という事に成ります。



【2】
次に、セックスを「したことがある」の女性(20%)の内訳を、
10%ずつ半分に分けて、半分の女の子はセックスしたくてした、
もう半分は嫌々やった、と仮定してみます。
すると、「してみたい」(けどまだしていない)女性(20%)と合わせて、
やりたい子(30%)の内、やった子(10%)は3人に1人と、
上に比べて割合はもっと下がります。



【3】
最後に、セックスを「したことがある」の女性(20%)は
全員が、セックスしたくなかったんだけど
男に無理矢理されたんだと仮定してみましょうか。
嫌な仮定ですが。
すると、セックスをしたくて実際にした女性は1人もない事に成ります。



そんな訳で、私の結論としては、
「やりたいと思ってるけどだやってない子の数と、実際にやった子の数が同じ」
と言うデータを
「やりたいと思ってる子は実際にやってる」と解釈するのは、
拡大解釈なんじゃないかな、と私は思いました。
上野千鶴子さんの解釈は「いわば」と付いてるので微妙ですが。



統計等はからきし苦手な私ですが、憧れてる学者だけに、
ちょっと気に成ったのでまた長々と書いて仕舞しまいました。
後もう一つ、同じコラムの中の30代女性のデータの解釈にいても
同じ様な疑問が有ったんだけど、まあ今日はもう寝よ。