30代女性の不本意なセックス? 『結婚帝国 女の岐れ道』
昨日、16〜19歳の女性で「セックスしたい子」の割合と、
「実際にした子」の割合が同じであっても、
「言行一致」と言う理屈はおかしいんじゃないか、と
上野千鶴子さんの解釈への疑問を書いてみました。
今日は
上野千鶴子さんの解釈を考えてみたいと思います。
意外と我ながら律儀な事してるな。
- 作者: 上野千鶴子,信田さよ子
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該当の個所は、『結婚帝国 女の岐れ道』という対談本の
22ページ目、上野千鶴子さんの書き下ろしのコラムです。
Q:18歳になる前にセックスをする
(30代の女性の回答のパーセンテージ)
選択肢 | 割合 |
---|---|
してみたい | 2% |
どちらかといえばしてみたい | 9% |
どちらかといえばしたくない | 16% |
したくない | 46% |
実際したことがある | 20% |
無記入 | 7% |
(前略)30代は「してみたい」2%、「どちらかといえばしてみたい」9%の
合計が 11%なのに対し、「実際にしたことがある」が20%、
つまり「してみたい」とは思わないが
不本意にセックスを経験した人々がいることがわかる。
意識と行動のずれはこの世代で顕著であり、(後略)
私には上の文章は、
2つの論理の筋道のパターンを考えてみました。
【A】
(1)30代の女性の 20%は、18歳未満でセックス経験済み。
(2)でも、18歳未満でセックスをしたかったか、
もしくは、どっちかと言えばしたかったと思っているのは、
30代の女性の内の 11%だけ。(3)ということは、この差の 9%の女性は、
18歳未満ではセックスしたくなかったのに無理矢理された。
【B】
(1)18歳未満でセックスをしたかったか、
もしくは、どっちかと言えばしたかったと思ってるのは、
30代の女性の内の 11%だけ。(2)ということは、残りの 89%の人は、
18歳未満でセックスはしたくなかったと思っている。(3)実際にはというと、30代の女性の 20%が18歳未満でセックス経験済み。
(4)上の(2)と(3)より、経験者の 89%、
つまり(20% * 89% =)17.8%の人は、
18歳未満ではセックスしたくなかったのに無理矢理された。
上の
理由は、昨日のと同じで、セックスに
「してみたい」や「したくない」を選んでいる人と、
「実際にした」という人は別の人だからです。
【A】の論理も【B】の論理も、トリックのポイントは
セックス「してみたい」とか「したくない」とかを選んでる人は、
実際には18歳未満ではセックスをしていない人だという点です。
セックスしてたんなら「実際にした」を選んでる
【A】の論理では、(3)の結論部分が間違っています。
18歳未満でセックスしてなかった人が、
30代になって「やっぱしとけば良かったな」とか
「純潔を守って良かった」とか
18歳未満で実際にセックスした人達には何の関係も有りません。
【B】の論理では、(2)の展開部分が引っ掛けです。
表の数字に立ち戻れば、18歳未満でセックスしたくないのは、
「どちらかといえばしたくない」の 16%と
「したくない」の 46%の合わせて 62%と、既に出てますもの。
掛け算とかしちゃいけません。
やっぱ、NHKの調査の仕方がおかしいんだと思います。
「してみたいし、実際したことがある」、
「どちらかといえばしてみたいし、実際したことがある」、
「どちらかといえばしたくないが、実際したことがある」、
「したくないが、実際したことがある」
という選択肢が存在しません。
やりたくないのに無理矢理男にセックスされた被害者の女性が
大勢いらっしゃる事は想像に
ちょっと難しいんじゃないかと思います。