メモ:政策金融融資半減、日銀量的緩和ストップで利子率はどうなる?

日経9/23より



(メモ)昨日(9/23)の日経新聞で気になったこと:


22日に9月の月例経済報告が提出された関係かと思いますが、
竹中平蔵・経済財政&郵政民営化担当大臣へのインタビューにが載っていました。
(5ページ、「経済」欄)



私がジーンと来たのは、政策金融の融資残高を半減させる計画について、
次の様に述べておられる事でした。



各機関の経営資源をどう活用するかの議論から始める。
その上でタイムフレームを含めた改革方針を詰めていく。

私の勝手な個人的印象ですが、随分タフな交渉能力を身に付けておられるんだな、
と感じました。



大学教授から閣僚に抜擢されて、「所詮しょせん学者先生に何が出来る」という
ムードもありましたが、自民党郵政民営化反対派や、
地方の三位一体の改革では財源を手放そうとしない財務省を相手にも
苦労されてました。
(そういえば、塩じいと喧嘩もされてましたねー)


塩川財務大臣記者会見の概要
http://www.mof.go.jp/kaiken/my554.htm



私は別に竹中さんの考えが正しいと思うわけではないんですけど
(というか財政の事とか理解出来ません……)
何に感心したかと言うと、「あれが正しい」とか「あれは悪い」とか
理論を振り回すだけじゃなくて、議論の進め方を考えている点です。



政治家や官僚、公共事業癒着企業などのあの手この手を尽くしてくる人たちを相手に、
口先で正論を言うだけじゃ、あんまり意味ないですよね。
会社でも、まあ政治の世界よりに比べたらそこまで敵対してくる人はいませんけど、
「自分はういうのが良いと思うんです」と言って待ってても、
「ふーん、そうだね」で終わりです(よ……)。



これは私の勝手な解釈ですが、竹中さんは、相手が同じ土俵に立たざるを得ないような、
根本的な一般論みたいなところから入って、
イムリミットを設けてだんだん囲い込んで追い詰めていく御積おつもりなのだと思います。
タフだなあ、と感心しました。




ところで、竹中さんの発言で気に成った事が有りました。
おいおい(暇が有れば)調べるとして、メモだけ日記に書いておこうと思います。






【政策金融】について

 ・政府系金融機関の融資残高を対GDP比で半減させる。

 ・90兆円の貸し出し資産を持つ政府系金融機関の見直しは、
  国の資産(814兆円・2003年3月時)のスリム化の為にも重要だ。




【日銀の金融量的緩和緩和のタイミングについて】


 ・未だデフレ脱却とはいえないので早い。

 ・なぜなら、10月にも漸くCPI(消費者物価指数)がプラスに転じる見通しだが、
  実物経済が潜在成長率を上回る伸びを続けているのに、
  GDPデフレーター(=名目GDPに対する実質GDPの割合)は未だマイナスだから。





私の疑問:

竹中さんは日銀に対して金融緩和を緩めるな、という御積おつもりらしいけど、
でも一方で政府系金融機関からの融資は半分に減らすと言っている。
矛盾してないのかな?



単純に考えると、政府系金融機関から45兆円分、融資を引っ込めるなり
追加融資を絞っていくと、資金市場での資金供給が減ります。
一方、同紙面に拠ると、4〜6月期の製造業の設備投資は
前年同期比19.7%増と大幅に増えています。
このまま投資が増えるとして、資金需要が増える時に、
資金供給量を減らしたら、ぐわっと利子率が上がって、
投資に水を指し、家計の貯蓄率が上がって消費が冷え込んで仕舞うのでは?



……あ、でもだからこそ日銀には金融緩和を続けてくれ、と言ってるのかな。
ここで日銀が金融緩和止めちゃったら、ダブルのショックですもんね。



でも日銀が金融緩和を続けるにしろ、利子率は上がるんじゃないかな?
政府系金融機関から融資って、多分民間金融機関よりは相対的に
安いんだと思います。
その融資が減るとしたら、相対的に利子率の高い民間金融機関からの
貸し出しが、その分増加しないといけないんじゃないでしょうか
日銀からの資金供給ったって、日銀が民間金融機関の証券などを買って、
民間金融機関から企業とかにお金を貸していくんだったと思います。
だから、民間銀行の貸し出し利子率はやっぱ上がっちゃうんじゃないでしょうか。



まあ、政策金融改革とか、実現とかは来年以降だろうから、今は何とでも言える訳ですが。



このテーマはもうちょっと調べてみたいです。
竹中さんの戦いっぷりも追っかけてみたいですし。



というのもまあ、一昨日久しぶりに経済学の教科書を読み返してみたので
ちょっと現実の問題に応用して考えてみたく成って仕舞しまったというだけなんですが。
でももっとちゃんと勉強しないとだめだなー、と、また改めて痛感しました。