いろいろある利子率はまとめて良いのか? について

クーラー



昨日、日銀の量的金融緩和は、利子率が下がらないので
余り意味ないけど取り敢えず遣ってる、と書いていて、
私には気になることが有りました。



其は、利子率というのが何なのか、未だ具体的な物
じゃなくて、抽象的なぼんやりしたイメージでしか
私は把握出来ていない、という点です。



まあ、私が友人から金借りたり貸したりすんのも、
利子は取ってないからな……。
利子とってたら友達失くすでしょう。



で、昨日利子がどうのこうのと考えてみて、
いくつかの種類の利子率が出てきたんですが、
私は適当に同じ物として書いていました。




確か、経済学の教科書だと、利子率が一種類しか
出てこないんですよ。
(まあ私が持ってるマンキューの教科書は、
 入門用なので出てこないだけと思いますが)
それで、私は昔読んだときすごく混乱して仕舞ったのを
覚えています。




私がどっかの銀行の普通預金に預けてるときの利子率と、
銀行同士の短期の貸し借りの利子率(コールレート)と、
企業が銀行からお金を借り入れるときの利子率と、
財務省が発行する国債の利周りは、全部違うものなのに、
なんで一つの「r」という利子率で数式化してんだ?
と思っていました。



疑問に思っても、めんどくさいのでうやむやなままに
していたのですが、昨日利子率に就いて書いていて、
やっぱ気になったので再びマンキュー先生の教科書を
パラパラと遣ってみました。



マンキュー マクロ経済学 第2版〈1〉入門篇

マンキュー マクロ経済学 第2版〈1〉入門篇



より、78ページのコラムに、こんな解説が有りました。

コラム 「多様な利子率」


新聞の経済面をみると、数多くの異なった利子率が発表されているのを目にするであろう。それとは対照的に本書では、あたかも経済には利子率がただ一つしかないかのように、「唯一の」利子率について議論している。


(中略)


新聞での異なった利子率を目にした場合、期間と信用リスクと税法上の取り扱いを考慮すれば、その際はほとんどいつでも説明可能である。


経済には数多くの利子率が存在するが、マクロ経済学者は、通常それらの違いを無視することが出来る。ほとんどの利子率は同一方向に変化する傾向があるからである。

確かにいろんな利子率があって、バラバラだけども、
ある利子率が高かった場合、それは長期間
預けておく物だったりとか、ベンチャー企業など
お金を貸すにはリスクが高い相手だったりするとか、
それなりの理由があるのでしょう。



まあリスクというのは数字で計るのは難しそうだけど、
そういったものも数字に直せるとして、差し引きしてみれば
基本的には利子率というのはまとまって
上がったり下がったりしていると見做せるということだと
私は思います。
(実際保険会社は事故とか火事とか船の事故のリスクを
 あらゆる材料を元に数字ではじき出して、
 保険料とか算出してるんだから、 
 プロにはできるんでしょう。)




とはいえ、今日の日経新聞には量的金融緩和をきっかけに
さまざまな利子率や外国為替相場が変動している、という
記事がいくつか出ていました。
(円ドル相場は、本来円高になるはずなのに、円安が定着
 しちゃってる、という記事でしたが)
いい機会だから、いくつかの利子率を調べてみようと
思いました。



今まで適当に読み飛ばしてた「マーケット総合1」面ですが、
関心を持っていると目に付くもんですねー。
まあ私の金融への関心は、個人的な生活にはほとんど
関係無い世界なので、すぐに消えそうですが……。



で、まずゼロ金利の水準にまで落ち込んでいて
これ以上下げられねえよ、と言っている時に
対象になってるのは、コールレートの事です。
詰り短期金融市場のことです。



日銀のサイトで調べてみたところ、正確には
無担保コール・オーバーナイト物金利と言うようですね。




日本銀行サイト 「ゼロ金利政策とは」
http://www.boj.or.jp/wakaru/seisaku/zero.htm#what



銀行とかの金融機関同士で、明日までとか、
長くても2、3週間程だけ借金する時の利子率です。



実際のところ、何%なのかは、新聞に出てました。(日経)



で、昨日(10月6日)のコールレート
無担保・翌日で 0.002%、
無担保・2週間で 0.004% です。



確かにめちゃ低い。
幾ら日銀でもこれ以上は、じゃなくてこれ以下には
下げられませんね。
先ほどの日銀のサイトによると、1999年からゼロ金利
が6年間も続いています。



とはいえ、このコールレートって、銀行とかの
金融機関同士での借金なので、企業や消費者には
直接は関係無さそうな気がします。




他に昨日私が取り上げたのって、自分でもすでに
思い出すのが億劫ですが、企業が投資用のお金を
調達しようとする場合です。
資金市場というのかな。



これって、銀行が企業に貸し付ける場合(間接金融)
とか、企業が社債や株式を発行して
市場で買ってもらって資金調達する場合(直接金融)
とか、さらにCP(コマーシャル・ペーパー)とか
結構沢山種類があると私は思います。
どれを見たらいいのかしらん。



銀行と企業の間のお金の貸し借りの利子率って、
調べれば公表してんですかねえ。
まあ秘密であっても、企業の貸借対照表
借入金や社債の勘定と、
損益計算書の[営業外費用」を調べてみれば、
推測できるかも。
まあ、ちょっと今日はめんどくさいからパス。



でも、JR東日本東日本旅客鉄道)の社債の話が
参考になるかもしれません。



日経によると、10月6日にJRは、総額650億円の社債
発行することにしたそうです。
社債の期間は3種類を用意していて、6年もの、
10年もの、20年物の3種類です。


この中で、20年債のスプレッド(国債の利回りよりも
上回ってる部分)は、0.100%とのこと。



で、債権標準価格(JSプライス)という欄によると、
国債の「超長国81(20年)」と言う銘柄があるんですが、
これが20年もの国債ってやつかな……。
此によると、償還年月は2025年9月(20年国債だから当然ですね)、
利率は2%となっています。


つうことは、きっとJRの社債の20年物は利率が2.1%なんでしょう。
他のも国債よりほんのちょっとだけ上回ってるぐらいだとしたら、
5年もの国債の利率は0.6%、10年もの国債は1.4%なので、
まあそんな感じなんでしょう。


スプレッドと言う言葉も初めて私は知りましたが、
おもしろい考え方ですね。
政府が発行してる国債よりリスクの少ない債権は
たぶん存在しないので(トヨタだって資産の多くは
円で持ってるだろうし)、
社債を発行して人々に買ってもらいたいなら、
国債より高い利率にしないといかんのですね。



あと、個人が銀行に預金するときの利率も調べてみました。


三井住友銀行 定期預金金利http://www.smbc.co.jp/kojin/kinri/yokin.html



三井住友銀行の10年物の利率は300万円以上1000万円未満で
0.2%、1000万円以上で0.25%となっています。
10年間お金を預けっぱなしにした場合、10年後に帰ってきたときの
利率は、それぞれ2.018%、2.528%と出ました。
ただ、利息には20%の税金がかかるので、
手取りはそれぞれ1.6144%、2.0224%になっちゃいます。
私の計算方法は間違ってる可能大ですが。


この預金の場合、固定金利制なので、
10年間預けてる間市場での金利が上昇しても、
一度解約して預金しなおさないと恩恵に預かれません。
また、10年後の物価水準が超インフレになってたら
むしろ資産が減ってしまうかもしれません。
マンキュー先生の指摘するとおり、
そんな期間と信用リスクが有るから、
10年間の銀行預金は、国債の1.4%よりも
利率が高いんでしょうね。




また、1000万円預けといて20万円だったら、
まあ預けとくより消費に使おうとする人も
増えるでしょうね。
そして、銀行にしてみれば企業に貸すための
資金を集める為のコストが低くて済みます。
普通の企業で言ったら、原価が安く済むのと
似ているかと私は思います。




長期金利に指標として、10年物の国債の利率が
よく使われていますが、ここにきてようやく私は、
長期国債社債と銀行預金の利子率を同じものとして
純化する経済学の方法に、少し実感が沸きました。



でも、10年や20年の長期の利率は、
リスクが高いので1.4%〜2%ありますが、
これらと相変わらずゼロ金利に近い
短期の利率とは、まだつながりが良く分からんです。


日銀が主にコントロールするのは
短期のコールレートですが、
0.002%なんてレベルで上げ下げして、
どうしてそれが10年物や20年物の1000倍以上の
利率を間接的にコントロールできるんでしょう。



まあプロは出来るんだろう。



そろそろ飽きてきたのでパソコンでも作ります。
明日の午前中までには何とか完成させたいなー。
ちなみに昨日の写真はマザーボードをケースに開いた穴の
裏側から写した物ですが、星図版みたいで
ちょっとおもしろいなと思いました。