(3)「女系」と「女性天皇」の区別について

あと、読売新聞のこの記事を書いた人って、「女系」と「女性天皇
の区別は付いているのかな?



このヤフーニュースの記事に書かれている部分だけから判断したら、
三笠宮寛仁さまは女性天皇に反対はしてないと私は思うんですが……。



万世一系で「男系」で天皇が続いている、というのは、
今の天皇陛下の父親(昭和天皇)の父親(大正天皇)の……
と父親をさかのぼっていくと、
「鳴くよウグイス平安京(794年)」の桓武天皇などを通過して、
日本の建国神話では初代天皇神武天皇に到達するという意味です。



私が次の国語の資料集で調べたところ、確かに系図が正確なら
(神話上の系図が正確かどうかという設問は意味ない気もしますが……)、
「男系」で天皇家がさかのぼれるというのは正しいことです。
まあ8親等ぐらい離れていて、何の関係が有るのかというような
かなりアクロバティックな関係もありますが……。



(例えば第25代の武烈天皇と、第26代の継体天皇って、
 これ何親等離れてるんでしょう?
 下記の本では、途中が省略されてて数えられないのですが、
 両者とも父親をたどっていくと第15代の応神天皇に達します)



カラーワイド新国語要覧

カラーワイド新国語要覧



古すぎて書籍の画像が出ねー。



……で、「女系」はともかく「女性天皇」がこのままOKになれば、
天皇陛下のお孫さんの愛子さんが、皇太子か秋篠宮さまの後ぐらいに
天皇に即位されるでしょう。
でも、それは「男系」であることと矛盾しません。
愛子さんの父親の父親は今の天皇なので。



そして「女系」というのは、愛子さんが天皇になられたとして、
そのお子様が天皇になることです。
つまり、天皇の父親ではなく、母親である愛子さんが天皇だ、
という引継ぎの仕方です。




たぶん「女系」と「女性」の区別は、
こういう風に書けば分かり易いかな?



(1)今の天皇の後に皇太子が新天皇に即位されれば、
   彼は「男系・男性天皇」です。
   まあ今までは大体このパターン。



(2)皇太子か秋篠宮さまの後ぐらいに
   愛子さんが天皇に即位されれば、
   彼女は「男系・女性天皇」です。
   愛子さんの後、どこかの宮家を復活させたりして
   父親をたどると昭和天皇などにたどれる男性が
   天皇になれば、これは万世一系の男系が
   続いてることになります。
   まあそこまでしたいなら、ですが。



(3)愛子さんが天皇で、彼女に息子さんが生まれて、
  その息子さんが天皇になれば「女系・男性天皇」です。



(4)愛子さんが天皇で、彼女に娘さんが生まれて、
  その娘さんが天皇になれば「女系・女性天皇」です。



このヤフーニュースの記事を見る限りでは、三笠宮寛仁さまは、
皇籍を離脱した元皇族の復帰や、
 元皇族を女性皇族の養子として皇位継承権を与えるなどの方法により、
 男系継承を守るべきだ」
と、「男系」を維持したいそうですが、
どこにも「男系・女性天皇」は嫌だとは書いてありません。



まあ、それも当然の話かと思います。



というのも、日本史とか古典文学とかの知識がある人なら、
ご存知だと思うんですけど、神話部分も含めた125代の天皇家の中には、
8人10代の「男系・女性天皇」がいました。
(一度退位してから、もう一回即位した人が2人いる)



 推古天皇(在位592年〜628年)(第33代)


 皇極天皇(在位642年〜645年)(第35代)


 斉明天皇(在位655年〜661年)(第37代、皇極天皇重祚


 持統天皇(在位686年〜697年)(第41代)


 元明天皇(在位707年〜715年)(第43代)


 元正天皇(在位715年〜724年)(第44代)


 孝謙天皇(在位749年〜758年)(第46代)


 称徳天皇(在位764年〜770年)(第48代、孝謙天皇重祚


 明正天皇(在位1629年〜1643年)(第109代)


 後桜町天皇(在位1762年〜1770年)(第117代)



ウィキペディアWikipedia)より、「女帝」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E6%80%A7%E5%A4%A9%E7%9A%87



例えば、日本史上の最初の女性天皇の第33代・推古天皇は、
聖徳太子のおばさんにあたる方ですけど、
彼女の父親は第29代天皇欽明天皇(きんめいてんのう)です。
父親が天皇なので、推古天皇は「男系・女性天皇」です。
それ以来何人かの女性天皇を挟みつつ、男系できました。
女性天皇の父親はいずれも男性天皇でした。



「男系・女性天皇」が伝統ではない、というのは、
彼女たち8人に対して「あなたの父親は天皇じゃなかった」
というようなもので、失礼な話だと思いますし、
三笠宮寛仁さまが歴代の天皇である彼女たちを
知らないとは思えません。



それを、読売新聞の記者は、どう曲解したのか、
三笠宮寛仁さまが女性天皇に反対されているかのうような
書き方をしています。



天下の読売新聞の記者ともあろうものが、
「女系」と「女性天皇」の区別を知らないのかな、
と私は不思議に思いました。



もしくは、ちゃんと区別を知っていながら、
意図的に読売新聞社の利益のために
皇族の見解を捻じ曲げて報道したとか……。
それはちょっと言い過ぎか。



まあ証明できない疑いをしてもしょうがないですけど。
どっちにしろひどい話だと私は思いました。
私の完全な勘違いだったらすいません。



そして、このまま特に何事もなければ、愛子さんはいずれ
約1400年前の推古天皇の様に「男系・女性天皇」として
即位することになるでしょう。
それから、愛子さんのお子さんが初の「女系・女性天皇
か、もしくは「女系・男性天皇」になるんでしょう。



そのころには私も歳をとってるので、
天皇制も有った方が良いと考えてるかもしれませんね。
というか私はそのころ死んでるでしょうね。



まあ歳をとっても、私が財産を築いてるとは思えないから、
相続税の方は低くてもいい、と思うようには
なってないでしょうけど。