心理療法の訓練問題集
週末に私はこんな本をちょこっと読みました。
- 作者: 上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 文庫
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この本の、「癒し手とは誰か――『露山徳爾著作集』に寄せて」
という章に、「学生用の心理療法の訓練問題集」がいくつか
紹介されていました。
正確に言うと、露山徳爾先生という心理療法家の『素足の心理療法』
という著作にある問題集で、上野千鶴子さんはそれを解説しているのです。
- 作者: 霜山徳爾
- 出版社/メーカー: 学樹書院
- 発売日: 2000/02
- メディア: 単行本
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なお、露山徳爾先生という方は、私は存じませんが、
ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』を翻訳された方だそうです。
- 作者: V.E.フランクル,霜山徳爾
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1985/01/23
- メディア: 単行本
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で、その「学生用の心理療法の訓練問題集」がいくつか載っていました。
(23)「星の如く、急がず、休まず、人はその( )のまわりをめぐれ」(ゲーテ)の中のカッコ内に何の文字を入れるべきであろうか。
(46)鈴木
大拙 の言葉「禅はどうしても悲の面が欠ける」はどのような意味であるか。
(20)「旅人は自分思っている以上のものを持ち帰ることはできない」これはいかなる意味か。
こんな問題が、合計391問、『霜山徳爾著作集〈6〉』という本には
収められているそうです。
歳をとるごとに自分の答えも変わっていくと思いますが、
私もちょっと今の時点での自分の答えを考えてみました。
(23)「星の如く、急がず、休まず、人はその( )のまわりをめぐれ」(ゲーテ)の中のカッコ内に何の文字を入れるべきであろうか。
→私案:「人」。
(46)鈴木大拙 の言葉「禅はどうしても悲の面が欠ける」はどのような意味であるか。(
→私案:
「一人で世間から離れ、いくら自分や他人、
果ては人類全体を悲しんだとしても、
それは
酔っているだけである。
なにかの希望が、全力を尽くしたにもかかわらず挫折した時の本当の絶望から、
その人は逃げている。」
(20)「旅人は自分の持っている以上のものを持ち帰ることはできない」これはいかなる意味か。
→私案:
(1)「新しい世界で新しい発見をする、それは取りも直さず
今までの自分の世界観が壊れ、変化することである。
自分の世界観が変化することは、後戻りのできない
過去の自分の喪失と表裏一体である。
人の成長において、得ることは失うことに等しい。」
(2)「人が何かを学ぼうと出発する時、その何かはすでに
その人の心の中に原形質の状態で生まれているのである。
現実はただ、その原形質を形にしてやる触媒に過ぎない。」
とか。
こういう抽象的な問題は、頭の中でぼんやり考えてみるのと、
実際に言葉にして書いてみるのとでは、またぜんぜん違いますね。
本屋で見つけたら、ぜひ残りの388問も見てみたいです。