クリスマスのイブイブに伊藤元重先生の「経済教室」をちょこっと勉強してみる(4)地価が変わる時。

(12月14日の日経新聞より)




昨日までのおさらい:
(私の理解ですので、勘違いしている可能性が多大にありますです)




金利国債などの債券の利回り)が4%で、
 ある土地の賃料が駐車場の運営などで年に100万円稼げる場合、
 この土地の理論上の価格は

 
  100万円 ÷ 4% = 2,500万円



●じゃあ、今みたいに超低金利の時は、地価はがんがん上がるはず。
 例えば、金利が2%になったら、



  100万円 ÷ 2% = 5,000万円 …… 2倍!



●1996年から公定歩合が0.5%とかの超低金利が続いてるのに、
 なんでこの10年間地価は下がり続けてたわけ?


 それは人々が「地価はまだ下がり続ける」と思ってたから。




というわけで、金利は下がったけど、人々は「地価が下がり続ける」
と予想してる状況をシミュレーションしてみよー。



(仮説)


●ある土地の賃料が、毎年100万円とする。税金とか無視。


金利は4%ではなく、2%に低下してる。


●地価が毎年2%ずつ下がっていく、と多くの人が考えた場合。



その土地をX円で購入するとする。
収益は100万円なので、収益率は



  収益率 =(100万円 ÷ X円)




地価が年々2%ずつ下がることによる損失(キャピタルロス)は、



  損失率 = 2%




よって、



  純損益率 =(100万円 ÷ X円)− 2%




これが債券の利子率:2%と釣り合うとき、Xの値は、
っちゅうと、



⇔(100万円 ÷ X円)− 2% = 2%



⇔(100万円 ÷ X円)= 4% 



⇔ 100万円 = 0.04・X円



⇔ X円 = 2,500万円 …… 冒頭の、金利が4%の時と同じ。




このシミュレーションの含意がんいは、
金利が低くなっても、株価や地価がまだまだ下がり続けると
人々が予想している時は、株価や地価は低いままってこと。
これが90年代後半から、00年代前半の日本列島の不動産市場を表してる。




と同時に、最近の株価や地価の高騰は、人々が
「株価や地価はもう下げ止まったぞ。」
と考え始めたという、大きな意識の変化を示している。
ここ超重要。



でも、これからは金利が上がり始めるかもね。
そしたら、



(地価)=(賃料)÷(金利



の除数(分母)が大きくなるから、地価も下がる?



それは金利の上昇がどんな理由で起きるかによる。



結論から言えば、物価上昇率(インフレ率)の範囲内での
金利上昇は、資産価格には影響しない。
言い換えれば、実質金利が上昇してなければ
資産価格には影響は無い。
そして、今のところ実質金利の上昇は起きてない。



この結論部分はまだ勉強中なので、今日はもう寝よ。